第15回研究会
第15回 CTテクノロジー研究会を終えて
この度は御多忙にもかかわらず、平成最後の開催となりました第15回新潟CTテクノロジー研究会に、157名の皆様よりご参加いただきました。県内はもとより県外からも多くの方にお越しいただけたことを嬉しく思っております。誠にありがとうございました。
今回は最新の技術をテーマとせず、検査に臨むために最も大切なことを、今一度考え直す研究会にしたいと考えておりました。そこでテーマを「CT検査を読み解く」といたしました。
一つの検査オーダーを目の前にしたとき、患者さんに最大限の情報を提供するためには、検査前から検査後まで全力を尽くさなくてはいけません。そのためには「志」なくして達成することはできないと日々感じており、プロローグとして僭越ながら当番世話人としての想いをお伝えさせていただきました。
シンポジウムでは「失敗から学ぶ」といたしまして、5名のシンポジストの方から検査での失敗を発表していただきました。失敗は本来あってはならないことですが、失敗から学ぶことは最大の教えでもあります。この失敗を多くの方と共有し、改善策を考えることでより多くの学びがあると考え企画いたしました。限られた時間ではありましたが、多くの参加者の方よりご質問・ご意見をいただき活発な意見交換ができたと考えております。なかなか失敗を言うことは簡単ではありませんが、これをきっかけに各施設で失敗を共有し、解決策を考える環境がどんどん多くなることを願っております。
さて技術講演では戸畑共立病院の田中順平先生より、我々診療放射線技師がチームの一員として何ができるのかをとても分かりやすく、かつ熱意をもって御講演いただきました。CT検査は造影方法や撮影方法ひとつで目の前の患者さんの人生を一変させるということを改めて痛感し、また診断・治療に貢献する画像を、装置の性能を使い切って提供するという姿勢に感動いたしました。
そして特別講演では昭和大学の加藤京一先生より、読影補助の現状、そしてこれからの展望について、先生自身の御活動を通じて熱く御講演いただきました。我々の気付きを書面として公式に残すためには、並大抵の努力ではいかないということを知りました。しかし、その努力は必ず患者さんのためになることを勉強させていただきました。また、将来的には人工知能を駆使した読影補助が行われると強く思いましたが、同時に最後に所見を伝えるのは我々の情熱であることを確信しました。
お二人の先生の御講演は、本研究会のテーマを象徴する熱いメッセージが込められていました。目の前の患者さんのために全力を尽くすことは、施設の規模や装置の性能など一切関係ありません。サブテーマにもありますように、志を検査前から検査後まで持ち続けることで、より多くの情報を患者さんに提供できることを、参加された皆様と共有できたと思います。
今回の研究会が少しでも皆様の情熱の琴線に触れることができたなら幸いです。改めましてシンポジストの皆様、田中先生、加藤先生には厚く御礼申し上げます。今度とも新潟CTテクノロジー研究会を何卒よろしくお願い申し上げます。
当番世話人挨拶
田村先生
山田先生
佐々木先生
青野先生
本田先生
シンポジウム01
シンポジウム02
シンポジウム03
シンポジウム04
シンポジウム05
シンポジウム06
技術講演 田中順平先生
特別講演 加藤京一先生